サイケやブルース、フォークなどを織り交ぜたオーソドックスなロックにけだるい叙情と幻想的なサウンドを醸し出させた音楽性、大掛かりな仕掛けとスペクタクルに富んだライブ、現代社会における人間疎外や政治問題をテーマにした文学的、哲学的な歌詞で世界的に人気を博した。クラシック音楽やジャズをバックグラウンドに卓抜したテクニックを披露する技巧派の類とは異なり、ブルースやサイケデリック・ロック、アシッド・フォークなどをバックボーンに持つ。彼らの演奏は一般的なプログレッシブ・ロックに見られるテクニック志向とは無縁であるが、その音楽のもつ代替の利かない浮遊感・倦怠感のない交ぜになった幻想的なサウンドは、ロックのアグレッションから離れつつ独自の緊張感と高揚に結びついている革新的なものであった。