建築資材高騰の先に見える、不動産市場の行方

2026.07.26

建築資材高騰の先に見える、不動産市場の行方

建築資材価格の高騰の背景

近年、建築資材の価格が高騰しており、その背景にはいくつかの要因が存在する。まず、鉄鋼・アルミ・セメントといった主要な建築資材は、国際的な価格上昇に加えて円安の影響を強く受けている。この影響により、輸入コストが大幅に増加しており、国内の建設業界に対する圧力が高まっている。

さらに、木材に関しては、コロナ禍中に発生した「ウッドショック」の影響が依然として残っている。混乱そのものは落ち着いたものの、木材価格はコロナ禍前の水準には戻らず、高値が続いている。これにより、住宅建設やリフォームにかかるコストが上昇し、業界全体に影響を与えている。

また、建設業では「2024年問題」が存在する。この問題は、時間外労働の上限規制が適用されることによって、労務費が一段と上昇することを意味している。資材費や用地費の高騰と合わせて、建設コストがますます増加することが予測されている。

建設物価調査会が毎月公表する建築費指数によると、2025年の後半には横ばいの状態が続くとされている。このことから、これまで続いていた建築費全体の明確な上昇に対して天井が見え始めているとの指摘がなされている。

住宅価格への影響

建築資材の高騰は、当然ながら住宅価格にも大きな影響を与えている。不動産経済研究所によると、2025年の首都圏における新築分譲マンションの平均価格は9,182万円、㎡単価139.2万円で、いずれも過去最高値を更新する見通しとなっている。これにより、住宅購入を検討する消費者にとって、価格の上昇は非常に大きな負担となっている。

特に、2025年には東京23区の新築マンションの平均価格が1億3,000万円を超えるとされ、過去最高を更新する予想が立てられている。また、2025年度(2025年4月~2026年3月)においては、平均価格が9,383万円、㎡単価141.9万円と、さらに最高値の更新が続く見込みである。

一方で、2025年の発売戸数は前年比4.5%減の2万1,962戸となり、1973年以降で最少となることが見込まれている。このような減少は、市場にさらなる影響を及ぼす可能性があり、新築マンションの供給が限られる中で価格が一層上昇することも考えられる。

今後の不動産市場の展望

2026年に向けて、住宅の建築コストは依然として高値で推移することが見込まれている。この状況は、賃貸市況の改善や不動産価格の上昇を引き続き継続させる要素となるだろう。

一方で、住宅設備の供給不安や納期の遅延が、住宅購入の意思決定に影を落としているとの指摘もある。これにより、消費者が十分に選択肢を持てない状態が続くことは、将来的な市場の健全性にも影響を与える可能性がある。

加えて、建設コストが高い一般的な状況下では、買い手の購買意欲にも変化が生じるかもしれない。資材価格の高騰が長期化する場合、人々の住宅選びがより慎重になることが懸念される。このような状況が継続すれば、住宅市場全体が活性化しづらくなる恐れもある。

まとめ

建築資材の価格高騰は、さまざまな要因が絡み合って生じている現象であり、住宅価格や不動産市場に大きな影響を与えている。今後の市場の動向は、これらの要因によって複雑に変化することが予想されるため、各種情報を注視しながら、消費者や業界関係者が対応していく必要があるだろう。