デヴィッド・ギルモアの名演、支えた4つのエフェクター
2026.07.30
デヴィッド・ギルモアとその名演
デヴィッド・ギルモアは、イギリスのロックバンドPink Floydのギタリストとして知られている。ギルモアのギター音は、彼の使用する機材によって形作られている。特にFender Stratocaster、通称「ブラック・ストラト」と呼ばれるギターが彼のアイコン的存在であり、メイプル指板を使ったこのギターが、彼の音楽スタイルに深く根付いている。
使用ギターとアンプ
ギルモアは、長年にわたりFender Stratocasterをメインギターとして使用してきた。このギターの特性は、明瞭で強い音色を生み出すことに寄与している。また、彼のライブ演奏やレコーディングにおいては、Hiwattアンプが主力として使用され、そのクリーンな音質がギルモアのギターサウンドを支える要因となっている。さらに、Leslie 147ロータリーキャビネットも併用され、独特の揺らぎと深みを音に与えている。
使用エフェクターとその効果
ギルモアの音作りには、数多くのエフェクターが重要な役割を果たしている。以下に彼が使用した主なエフェクターを挙げ、それぞれの特性と名曲との関係について詳述する。
Binson Echorec 2
Binson Echorec 2は、イタリア製の磁気ドラム式エコーであり、1977年のAnimalsツアーまでメインのエコー機材として使用された。このエフェクターは、彼の代表曲「Echoes」や「Time」、さらには「Shine On You Crazy Diamond」の浮遊感あるサウンドを生み出す要因となった。具体的には、Binson Echorecによるエコーやリバーブが音に厚みを持たせ、楽曲全体に深い空間を与えた。1977年以降は、精度の高いMXR製デジタルディレイに置き換えられたが、初期のBinson Echorecによるサウンドは多くのファンに深く印象づけられた。
Big Muff Pi
Big Muff Piは、Electro-Harmonix製のファズ/ディストーションで、1974年にギター技術者フィル・テイラーが導入した。このエフェクターは、ギルモアのリードトーンの土台として機能した。特に「Comfortably Numb」のソロでの使用が知られており、ブースターペダルとの組み合わせによって力強いサウンドを実現している。ギルモアのサウンドの特徴は、Big Muffによるクリーミーなディストーションであり、感情をこめたフレーズと相まって独特の音色を生み出した。
Electric Mistress
Electric Mistressは、Electro-Harmonix製のフランジャーで、1976年製のV2モデルが使用された。1977年のAnimalsツアーや1978年のソロアルバム、1979〜81年の「The Wall」アルバム・ツアーにおいて多用された。Electric Mistressは、揺らめきと広がりを音に加え、ギルモアの演奏における幻想的なエフェクトを実現した。
Uni-Vibe
Uni-Vibeは、UniVox製のエフェクターであり、「Dark Side of the Moon」に収録された「Breathe」などで使用された。このエフェクターは、渦を巻くようなサイケデリックなモジュレーションを生み出す。Uni-Vibeの存在は、ギルモアのサウンドにおける一種の浮遊感を提供し、多くのリスナーに印象を残す結果となった。
その他のエフェクター
デヴィッド・ギルモアは、BK Butler 911 Tube Driver、MXR Phase 90、Colorsound Power Boost、Pete Cornish製のトーン/ボリュームペダルなど、さまざまなエフェクターを使用している。これらの機材は、ギルモアのプレイにおいて多様性をもたらし、彼の個性を引き立てる重要な役割を果たしている。
名曲と音作り
ギルモアの使用した機材は、彼の音楽において直接的な影響を与えている。以下に代表的な名曲とその音作りを掘り下げる。
「Comfortably Numb」
「Comfortably Numb」は、アルバム「The Wall」に収録されている曲で、特にギルモアのギターソロが注目される。ここではBig Muffとブースターを組み合わせ、Hiwattアンプで鳴らすことで力強くもメロディックなトーンを実現。ギルモアの感情が伝わるサウンドは、多くのファンにとって忘れられない高揚感を生み出した。
「Money」
「Money」は、アルバム「Dark Side of the Moon」に収録される曲で、ギルモアのギターがリズムに合わせて独特のフレーズを奏でる。この曲では、ギルモアのサウンドがビートに溶け込み、聴き手に強い印象を与える。音作りにおいても、Hiwattアンプの特性が際立っている。
「Time」
「Time」においては、Binson Echorecによるディレイが重要な役割を果たす。このエコーは、楽曲に深みを与えるだけでなく、ギルモアのリードギターが持つ浮遊感を強調した。この曲のリズムパートと並行して、エコーが繰り返されることで、聴く者の心に刻まれる印象を与えた。
「Breathe」
「Breathe」では、Uni-Vibeによるモジュレーションが際立つ。サイケデリックな要素が強調され、曲全体のメロディに独特の揺らぎが加わっている。ギルモアはこのエフェクターを駆使し、幻想的な空間を構築した。
「Shine On You Crazy Diamond」
「Shine On You Crazy Diamond」でもBinson Echorecが使用され、サウンドに浮遊感が与えられた。曲の構成においてもギルモアのギターが主導的な役割を果たし、聴く者に深い印象を与える。
「Dogs」
「Dogs」では、Electric Mistressが用いられ、音に揺らめきが加わり、幻想的な雰囲気を創出した。この曲におけるギルモアのプレイは、音楽的な文脈の中でエフェクターを巧みに利用した結果として現れた。
「Another Brick in the Wall, Part 2」
「Another Brick in the Wall, Part 2」でも、ギルモアのスタイルがしっかりと反映されている。使用する機材の組み合わせが、曲のメッセージ性とも調和し、聴き手に強い印象を残す結果となった。
まとめ
デヴィッド・ギルモアの音楽は、彼自身のギタープレイだけでなく、使用する機材やエフェクターによっても創られている。特に代表的な名曲においては、これらの機材が彼の音楽に与える影響は計り知れない。長年メインとして使用されてきたFender StratocasterとHiwattアンプ、そして多様なエフェクターが、彼の独自のサウンドを形成している。このような機材の選択が、ギルモアの音楽を豊かにし、多くのリスナーに愛される要因となっている。