SNSの誤情報になぜだまされるのか
2026.07.30
SNS上の誤情報とデマの現状
近年、SNSプラットフォーム上での誤情報やデマの拡散が問題となっています。その中でも特に注目すべきは、災害時や選挙時に見られる誤情報です。これらのデマは、社会の不安定な状況を利用して広がり、多くの人々を混乱に陥れる要因となっています。
災害時のデマ事例
2024年1月に発生した令和6年能登半島地震では、地震直後にX(旧Twitter)上で非常に多くの救助を求める投稿が行われました。関連投稿は約2万1000件に達したとされるものの、その中には多くのデマや虚偽の投稿が含まれていたと推定されています。
- 実際に、息子がいない女性が「息子が挟まって動けない」と住所付きで投稿した例がありました。この投稿を見た警察が出動し、本人に確認する事態が発生しました。
- また、複数の別アカウントから同じ文言で救助を求める投稿が行われるケースもありました。
- さらに、実在しない地区名を挙げて救助を求める投稿も確認されています。
- 偽の募金投稿も広まりました。これでは、「被災地への寄付をお願いします」として、電子マネーの送金用QRコードやURLを掲載したものがありました。
- 実際、埼玉県八潮市の会社員が被災者を装い虚偽の救助要請を投稿し、県警機動隊に捜索活動をさせた事例もあります。彼は偽計業務妨害容疑で逮捕され、投稿の目的は「震災に便乗して自分の投稿に注目してほしかった」と述べています。
選挙をめぐる誤情報事例
選挙時にもSNS上では多くの誤情報が拡散されています。2024年の衆院選では、政治家の発言を切り取った編集動画や、政党のロゴに不当な関連を示す画像がSNSで広まっています。東洋大学の調査によれば、衆院選に関する偽情報を見た人のうち8割がそれを「事実」と誤認識しており、情報源として最も多く挙げられたのは「テレビ」でした。
さらに、2025年の参院選において時事通信の調査が行われ、拡散した偽情報のうち35%が「事実」と誤認されていたことが明らかになりました。この調査では、投票先を決める際にSNSや動画サイトを「参考にした」と回答した人が46.9%に達しています。この結果が示すのは、デマが誰もがアクセスできる情報源として利用される現実です。
その結果、「外国人への生活保護」や「不正選挙・票のすり替え」といった根拠のないデマが拡散し、各新聞社がファクトチェックを強化する事態となっています。
誤情報・デマが広がる理由
誤情報やデマが広がる理由は複数あります。第一に、迅速かつ容易に情報が拡散されるSNSの特性があります。これにより、一度拡散した情報は瞬時に多くの人々に届くため、従来よりも早いスピードで広がります。
第二に、情報の受け手の側のリテラシー不足も影響しています。特に、情報の真偽を判断するためのスキルや知識が不足している場合、誤情報をそのまま受け入れてしまうリスクが高まります。加えて、感情に訴える情報が強く拡散されやすいため、冷静な判断が難しくなります。
対策と見分け方
このような誤情報に騙されないためには、個人が主体的に対策を講じる必要があります。総務省は、プラットフォーム事業者による適切な対応やファクトチェック、ICTリテラシーの向上を掲げています。
具体的には、「情報流通プラットフォーム対処法」が制定され、大規模プラットフォーム事業者に対して削除申し出への迅速な対応が求められています。また、日本ファクトチェックセンター(JFC)は、災害時に特に広がりやすい偽情報の類型を分類し、ファクトチェック記事を継続的に公開しています。
加えて、個人が実践できる見分け方としては以下の点が挙げられます:
- 情報がいつ、どこから発信されたのかを確認する。
- 情報の根拠が示されているか確認する。
- 発信者やアカウントのプロフィールに不自然な点がないか確認する。
- ネット検索を行い、複数の情報を比較する。
- 新聞や書籍など、ネット以外の情報源でも確認する。
これらの対策を実行することで、誤情報やデマに惑わされる可能性を低減させることができます。
まとめ
SNS上に広がる誤情報やデマは、特に災害時や選挙時に顕著であり、多くの人々を混乱に陥れる要因となっています。実際の事例を通じて、私たちは誤情報の危険性を理解し、適切な対策を講じる必要があります。個人が主体的に行動し、情報に対するリテラシーを高めることが求められています。今後も、正確な情報を見極める力を強化することが重要です。