半導体製造装置、日本メーカーが握る6つの核心技術

2026.07.31

半導体製造装置、日本メーカーが握る6つの核心技術

日本の半導体製造装置メーカーとその技術的強み

日本の半導体製造装置市場は、世界の半導体製造において重要な役割を果たしている。特に、日本の各社は異なる分野で独自の技術を持ち、置き換えの効かない地位を築いている。ここでは、主要な日本企業の技術力とその市場シェアについて説明する。

東京エレクトロン(TEL)

東京エレクトロンは、半導体ウェハーへのフォトレジスト塗布や現像を行う「コータ/デベロッパ」部門で、2022年時点で世界シェア89%を占めている。この高いシェアは、同社の技術が半導体製造において不可欠であることを示している。

2024年の世界半導体製造装置売上高トップ15社には、東京エレクトロンを含む6社の日本企業がランクインしている。東京エレクトロンの直近四半期の営業利益率は30%を超えており、これは製造業の平均と比べても非常に高い数値である。これにより、同社は高い収益性を持つことが確認できる。

ディスコ

ディスコは、シリコンウェハーを個々のチップに切り分ける「ダイシングソー」分野で推計70〜80%の世界シェアを持っている。加えて、ウェハーを薄く削る「グラインダ」やポリッシャー分野にも60〜70%のシェアを有している。特に注目すべきは、微細なダイヤモンド粒子を付着させた砥石を用いたダイシング技術であり、これは世界初の応用技術となる。また、競合は東京精密であり、残り約2割のシェアを持つが、AI半導体のような先端品ではディスコが圧倒的に強い。

2025年3月期の営業利益率は42.4%であり、これは日本の製造業の平均(5〜8%)と比較しても桁違いの高い数値である。こうした利幅の高いビジネスモデルは、同社の成長を支えている。

レーザーテック

レーザーテックは、EUV(極端紫外線)露光に必要なマスクおよびマスクブランクスの欠陥を検査する装置で、世界シェア100%を持つ。2000年代初めからこの独占状態が続いており、これはEUV露光を用いる2nm・3nm世代の最先端半導体製造において重要な要素である。

世界で唯一、レーザーテックの技術によってマスクを検査できる装置が製造されていることは、同社の技術力を示す証左である。EUV露光は、今後の半導体製造の進化に大きく寄与する技術であり、レーザーテックの役割はますます重要になっている。

アドバンテスト

アドバンテストは、半導体デバイスの良品・不良品を選別する「半導体テスタ」において、世界シェア58%を誇り、トップの地位を維持している。1985年からその位置を保持しており、生成AI向けGPUやDRAMなどの高速デバイスの量産テストにおいて圧倒的な支配力を持つ。

テスタ本体に加え、ハンドラ・ソケット・インターフェースボード・AIを使ったテストデータ解析プラットフォームを一括提供することで、顧客の多様なニーズに応えている。2026年3月期には売上高が初めて1兆円を突破する見込みであり、その成長は目を見張るものがある。

SCREENホールディングス

SCREENホールディングスは、ウェハーを1枚ずつ処理する「枚葉式洗浄装置」において、約38%の世界シェアを保っており、首位に立っている。半導体洗浄装置の累計出荷台数は15,000台を超える。2025年3月期の売上高は6,000億円を超える見込みで、営業利益率も21%に達する見通しである。

この技術は、半導体製造における清浄度を確保するために不可欠であり、SCREENの技術力は他社に比べて優位性を持っている。

KOKUSAI ELECTRIC

KOKUSAI ELECTRICは、複数枚のウェハーを一度に処理する「バッチ式」成膜技術に強みを持つ。2023年に、薄膜を均一に積み重ねる「バッチALD」対応の成膜装置において、世界シェア1位を獲得した。この技術の優位性は、高アスペクト比の溝や孔を有するウェハーに対しても均一な薄膜を形成できる点で評価されている。

半導体の微細化や多層化・三次元化が進む中で、この技術はますますその重要性を増している。KOKUSAI ELECTRICは、元々日立国際電気の半導体製造装置部門としてスタートし、2018年に分離・独立した企業である。

まとめ

日本の半導体製造装置メーカーは、製造業全体の成長を支える重要な技術を提供している。東京エレクトロンやディスコ、レーザーテックなど、各社はそれぞれの分野で専門性を持ち、技術的に優れた製品を展開している。

日本の半導体そのものの世界市場シェアは約5%程度まで低下しているが、製造装置や材料の分野では依然として影響力を保持している。この構図は、今後の半導体市場においても重要なポイントであり続けるだろう。各社の技術が融合することで、さらなる発展が期待される。