Technics SL-1200:MK2からMK7まで、何が変わったのか
2026.08.01
ターンテーブル「Technics SL-1200」シリーズの概要
ターンテーブル「Technics SL-1200」シリーズは、1972年に発売され、クォーツ制御のダイレクトドライブ方式を採用した機器として登場した。SL-1200シリーズはその後、改良が重ねられ、多くのモデルが発売されてきた。DJユースだけでなく、一般のオーディオファンにも支持されている。
SL-1200MK2(1979年発売)
SL-1200MK2は1979年にリリースされたモデルで、±8%の可変ピッチコントロールを搭載している。この機能により、DJ用途での使用が広がり、SL-1200MK2はDJの定番機としての地位を確立した。安定した音質と耐久性を兼ね備え、多くのプロやアマチュアに愛用されている。
SL-1200MK3(1989年発売)
1989年に発売されたSL-1200MK3は、DJユースを意識した改良がなされた。金メッキのRCAプラグや、背面に貼られた金箔のテクニクスロゴが特徴であり、見た目にも高級感がある。これにより、音質とともにデザインにもこだわるユーザーに応える形となった。
SL-1200MK3D(1997年発売)
SL-1200MK3Dは1997年に登場したモデルで、ピッチスライダーのゼロ点にあったセルフロック機構を廃止し、より細かく正確なピッチ調整が可能となっている。この変更により、ユーザーはより自由に音楽を操作できるようになった。
SL-1200MK4(1997年発売)
同じく1997年に発売されたSL-1200MK4は、DJユース中心からピュアオーディオ用途へと設計の方向性を転換させたモデルである。SPレコード(78回転)の再生に対応し、トーンアームの配線にはOFC(無酸素銅)が採用され、フォノケーブルは着脱式に変更された。この改良により、オーディオファンにもアピールする機能が追加された。
SL-1200MK5(2002年発売)
2002年に発売されたSL-1200MK5は、照明にLEDを採用し、視認性が向上している。また、ヒューズによる過電流保護機能が追加され、安全性も強化された。これにより、長時間の使用に対する信頼性が向上した。
SL-1200MK6(2008年発売)
SL-1200MK6は2008年に発売されたモデルで、MK5をベースに、上位モデル「SL-1200MK5G」で培った音質面の改良が取り入れられている。照明LEDの色は青色に変更され、視覚的にも新鮮さを提供している。
SL-1200シリーズの生産終了と復活
SL-1200シリーズは2010年にいったん生産終了となったが、2016年に新生テクニクスとして高級復刻モデル「SL-1200G」が発売され、シリーズは復活を遂げた。このモデルは、Hi-Fiオーディオ開発の最新技術を投入して設計されている。
2017年には、SL-1200Gよりも軽量で価格を抑えた「SL-1200GR」が発売され、さらなる選択肢を提供した。
SL-1200MK7(2019年発売)
2019年には、DJユースを主眼に開発された「SL-1200MK7」が発売された。このモデルは、2019年のCESで発表され、多くの注目を集めた。
SL-1200MK7では、コイルから鉄心(コア)を取り除いた「コアレス・ダイレクトドライブモーター」が新開発された。この技術により、ダイレクトドライブ方式特有の回転ムラ(コギング)を抑制し、音質の向上が図られている。専用に開発されたアルミダイカストとラバーを貼り合わせた2層構造のプラッターにより、SL-1200MK6を上回るトルクと回転精度が実現されている。
SL-1200MK7のピッチコントロールは±8%/±16%の範囲に対応し、ピッチスライダーの位置検出とマイコン制御をデジタル化していることで、追従性と精度が向上している。また、回転数は33 1/3回転、45回転に加え、78回転にも対応する(本体スイッチをオンにすることで使用可能)。
SL-1200MK7のスタイラスイルミネーターはプッシュ方式の新構造で、赤色・青色の2色を切り替えることが可能な高輝度・長寿命の白色LEDを採用している。起動トルクは1.8kg・cm(0.18N・m)、起動特性は0.7秒(33 1/3rpm時)、ワウ・フラッターは0.025% W.R.M.S.という高い性能を誇る。
まとめ
Technics SL-1200シリーズは、各モデルごとに特性や用途を意識した改良が施されており、DJやオーディオファンから高い評価を受けている。SL-1200MK7は最新モデルとして、その性能と機能性がさらに進化しており、音楽愛好者にとって見逃せない存在となっている。
